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<特集内容>
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寄稿者には、白川静、養老孟司、日高敏隆、河合雅雄、川田順造、松井孝典、安田喜憲、樺山紘一、岩槻邦夫、保坂和志、梨木香歩、茂木健一郎、小栗康平、前田英樹、管啓次郎、田口ランディ、今福龍太、姜信子、蛭川立、酒井健,佐伯啓思、原広司、伊勢崎賢司、小池博史等がいます。
写真家には、野町和嘉、水越武、中村征夫、今森光彦、セバスチャン・サルガド、石元泰博、細江英公、川田喜久治、東松照明、内山英明、斎藤亮一、中藤毅彦、古賀絵里子、大山行男、石川梵、岡原功祐、前川貴行、広川泰士、中野正貴、大西成明、北義昭、井津建郎、山下大明等がいます。
『風の旅人』の編集コンセプト(2003年4月 創刊時より)
大自然や人間のドラマを取り上げる“心の旅の雑誌”です。毎号、映像と言葉の共演によって、世界との新しい関わり方を提示していくことを方針としています。情報が溢れ複雑怪奇に見える時代に、ヒトが生きることの原点にたち返りたいというのが、創刊の動機であり、編集の核です。目の前を流れていく光景をただ何となく見てやり過ごすというテレビ風の受け身の情報文化に慣らされた時代に、思いを籠めて対象を見つめ、しっかりと向きあっていく、能動的な媒体にしようと考えています。単に時代の気分を匂わせるものではなく、何かの役に立つかどうかでもなく、未来につながっていく何かを、一人称できっちりと伝えていきたいのです。
この雑誌は、文芸誌でも科学誌でも芸術誌でも政治経済誌でもございません。執筆者も、特定のジャンルに限られた方々ではございません。ただ、ここに一貫させようとしていることは、現在から未来に向かって私たち人間がどう生きていくべきか、しっかりと感じて、考えていこうということです。
『風の旅人』の読者は、一般雑誌のように読み捨てることがありませんし、読みたいページだけ拾い読みすることもなく、隅々まで読み通すと読者の方に言われることが多くあります。
ほとんどの雑誌が広告スポンサーを安心させるために大量に印刷して書店に並べ、その後、返本されたものを破棄しています。実売利益よりも、広告収入で成り立つ構造です。ですが、『風の旅人』は、そういう在り方を目指すのではなく、読者に愛着を持たれる雑誌を目指したいのです。
この雑誌の読者層は、最初、熟年層だと考えていましたが、年齢で括れないことがわかりました。実年齢に関係なく、人生に対して前向きな方が読んでおられるようで、10代〜80代まで、共感の手紙をいただいています。
雑誌のテーマと関係して、自然志向の方、環境問題や社会に対する意識の強い方が多いです。享楽的なことや娯楽的消費にあまり関心がなく、本物志向の人が多いようです。
硬派の写真と文章が多いので、写真、文学、学問などに興味がある人が読者に多いと思っていましたが、それぞれの専門の領域に閉じた思考の方ではなく、柔軟で開かれた感性の方に読者が多いようです。“学問”よりも、どちらかというと“音楽”的な人に読者が多いということも、わかっています。
創刊企画書からの抜粋。
2002年12月21日
雑誌『風の旅人』編集長
佐伯 剛
どんなに素晴らしい作品や研究成果も、そのメッセージを受信する人が自分ごととして受け止めないかぎり虚飾の一部として消費されてしまいます。だからそうならないために、客観的な情報提供ではなく、生身の人間としての体験と親交を言葉とビジョンに統合して伝えていくことに注力します。
二ヶ月に一度 第一号 2003年4月1日 予定
人間が幸せに暮らすということがどういうことか、自分ごととして強い関心がある人。
“風の旅人”
日本語には、風景、風流、風懐、風趣、家風など、風に関する言葉が非常に多く、日本人は、自分が生きる世界との関係を風を通して感じるようなところがあります。
また、風の動きは、乱流(カオス)という非常に複雑な法則性を持ち、その法則性は、宇宙のメカニズム、生命現象、人間社会、歴史の変遷にまで関わってくるものではないかと、現代最先端の科学で注目を浴びています。そして、古代、風は、ただの自然現象ではなく、“霊”を意味していたとも言われます。
また、日本語の“旅”という言葉の中には、探究、探検、さまよい、遊びなど、学問や建設的なものから息抜きにいたるまで様々な行動形態が含まれ、その大きな意味は、人生そのものや、人類の歴史、生物の進化、地球の歴史などにも重ねることができます。
当社は、このように風と旅で象徴されるものを中心に据えて世界と向き合い、雑誌作りを行っていくことになります。
2003年4月の風の旅人の創刊以来、風の旅人の内容に共感をいただき、風の旅人を人々に知っていただくために、ご協力いただいたカフェや宿等です。月日が経っている為、現在は、閉店している場合もあります。